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「浮竹隊長って、嫌いなものとか苦手なものとか、そういうものあるんですか?」


書類の束を胸に抱え前を歩く浮竹に、同じく束を抱えた清音は訊ねた。


「嫌いなものとか苦手なもの、か…うーむ…」


首をひねって考え込むと、浮竹の歩く速度が少し落ちた。

一護が現世出張に行ってしまったために、
小椿、清音の三席両名はここ数日、忙しく動き回っていた。
予定では今日が、一護が出張から帰ってくる日で、
浮竹は朝から張り切って仕事を片付けていた。

ようやく速度の落ちた浮竹の足に、清音は小さくため息をついた。
そもそも清音から見て浮竹は、見上げるほどに身長差があるのだ。
腰の位置だってまったく違う。
そんな男に早歩きで歩かれては、小柄な清音はすぐに置いていかれてしまう。
そんなに黒崎副隊長が帰ってくるのが待ちきれないんだろうか。
呆れ半分、悔しさ半分、清音は複雑な表情を浮かべた。


「清音は、なにか苦手なものはあるのか?」


答えに行き詰った浮竹は清音を振り返って訊ねる。


「え?あっ、えっと…、小椿とか…」


いきなりの質問にびっくりした清音は百面相のように
あわただしく表情を変えてそう答えた。
そんな清音の様子がおかしいのか、浮竹は喉の奥でクッと笑う。


「な、なにがおかしいんですか隊長…」


恥ずかしそうに膨れると清音は浮竹を見上げた。


「ああ、いやすまん」


そんな清音の顔もおかしかったが、
浮竹は漏れそうになる笑みを一生懸命かみ殺して言った。
そのあと、進行方向に顔を向きなす。


「で、隊長の苦手なものってなんですか?」


書類を抱きなおし、こほんと咳払いをすると清音は改めて
浮竹に訊ねた。


「そうだな、苦手…というよりは弱点なんだが…」


一拍置くと、浮竹は言った。


「一護だな」


やっぱり。清音は判りきってることを聞いてしまったなと
また小さくため息をついた。
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