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珍しく浮竹さんが洗濯物を干すと、必ず雨が降る。
学校から家に帰ると、ベランダにはびしょ濡れになった洗濯物が
しょんぼりと、申し訳無さそうに肩を落として雨水を滴らせていた。
いそいでそれらを取り込むと、すぐさま洗濯機の中へと放り込む。
「ったく…」
ため息を一つついて洗濯機のふたを閉めると
そのままオレはリビングへと向かった。
リビングは暗かった。
まだ浮竹さんは帰ってきていないので、明かりが灯っていないのは
当たり前といえば当たり前なのだが。
「疲れた」
そう呟いてソファへ思いっきりダイブする。
時計を見やれば時刻は5時30分。
今日は雨の日。
あと30分経てば、あの人が平謝りしながら帰ってくる。
すこしだけツンとした態度をとれば、
あの人は困ったように笑いながら、
すまんと呟いて、そんなに怒るなよと苦笑いして、
頭を撫でてくれる。冷たい手で。
さぁ、あと25分。
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