こんなことを口にしてはいけないのだろう。
ましてや恋愛感情など、一時の気の迷いに過ぎないのに。
そう、テレビの中のドラマの主人公が呟いた。
一時の気の迷い? 気の迷いで片付くほどの関係なら
それこそ滑稽にして、無様。
いいや、お前しか見えなくなっても結局は愚か者。
違う、もうお前しか見えてない。
結局は色恋など水掛け論に終わるのだ。
人の感性など十色だというのに
どうしてそこまでして自分の感情を押し付けたいのだろうか。
コーヒーを口に含みながらリモコンでテレビを消した。
そしてふと、コーヒーのカップから口を離すと、
自嘲を浮かべて呟いた。
「これはちょっと…、重症だな」
PR