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雨乾堂へと続く渡り廊下。
そこには浮竹がぽつんと座っていた。
その廊下に腰をおろし、
薄緑色の着流しを太ももまで捲り上げて、
ちゃぷちゃぷと楽しげな音を立てながら、
まるで子どものように水の中に足を投げ出して
そして「ううん」と声を立てると、
空に向かって両手を突き出して伸びをした。


「あったかいなぁ~、ぽかぽかする」


そのまま後ろにすとんと体を倒すと、
その体の上を影が覆った。


「い、ちご?」


そのままぐいっと目線を上に上げると、
なんとも怪訝そうに眉を顰めた一護が居た。
一護は頭をかいて、そしてその場にしゃがみこんだ。


「なにしてんだよ、風邪引くだろ、んなことしてたら」


浮竹はぐっと近くなった一護の顔をまじまじと見つめる。
一護の濃い琥珀色の瞳がすこし細くなった。


「ひなたぼっこ」


そう言いつつちゃぽんと足元で音を立てる。
ゆらゆらと周囲を泳いでいた鯉がササッと逃げた。


「ひなたぼっこって…。確かに今日は暖かいけど」

「一護も暇なら一緒にひなたぼっこするか?」


マイペースに話しかける。
けして浮竹だって暇ではないだろうが、
しかしそこまで言うなら体調は万全、
仕事はほぼ片付いているんだろう。
一護は少し考えると小さくため息をついて浮竹の隣に移動した。
死覇装のままなので水の中に足をつっこむことはしないが、
ゆっくりと腰を下ろした。


「あと三十分したらひなたぼっこ終了だからな」

「三十分な」


浮竹は楽しそうに復唱する。
機嫌の良さそうなそれを見て、
なんとなく、一護は寝転がったままの浮竹の額にキスをした。
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