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他人が食べているものというものは、
なんとも美味しそうにみえる。


「お!うまそうな豆大福じゃないか」


一護の手に豆大福を発見して、
嬉しそうに浮竹は目を輝かせた。


「あ…浮竹さんごめん、これ最後の一個…」


あまりに目を輝かせるために、
一護はすこし言い辛そうに浮竹から視線をそらす。


「…そうか…」


わかったとたん、浮竹はがっくりと肩を落とした。
ワザとやっているわけではないのだが。
一護はなんともいえない罪悪感にかられ、
浮竹に豆大福を渡す。


「いいよ喰えよ。いつでも買えるし」
「ほんとうか!ありがとう一護」


浮竹は再び目を輝かせる。
そんな浮竹に内心苦笑しながら、
しかし一護はそんな浮竹の素直なところが好きでたまらなかった。
浮竹は豆大福を少し見つめた後、
何を思ったかそれを半分にちぎった。


「はい、一護。あーんしろ」


にこにこと、しかし真面目にそんなことを言うんだから
恥ずかしいったら、たまったもんじゃない。


「いいいいいい、いいよ、全部喰ってッ」


目の高さにある大福を見ながら言う。


「もとはといえばお前のなんだから、遠慮するなって。ほら」


あーん、そう呟いて浮竹は楽しげに眉を上げる。
またしょんぼりされても困るため
一護は仕方なく回りに人が居ないか確認すると、
口を開いた。


「…あーん」


浮竹が一護の口に豆大福を入れる。
一護がもぐもぐと口を動かしたのを確認すると、
浮竹も満足げに半分になった豆大福を口に放り投げた。


「頼むから喉に詰まらせるなよ」
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