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「視力悪くなるんじゃねぇか?」


ふと、顔を上げて一護が呟く。
視線の先には浮竹がいた。
浮竹は、何が?と目を少し大きく開いて顔で問う。


「前髪」


一護は布団の中から温まった手を出すと、
浮竹の横髪を撫でた。


「そう…か?」


うーん、そう呻いて前髪をかきあげる。
枕には白髪が散らばっていた。


「いっそのこと、すぱっと短くしようか」


自分の頭から手を離して、
一護の短い髪に手を伸ばし、それを弄びながら呟く。
その言葉に一護はドキリと目を見開く。


「い、いや、いいよ、冬は寒いし、首とか!それにほら、えーっと…」

「長いほうが好き?」


浮竹に本心を突かれて恥ずかしくなり目をそらした。
そんなこと、面と向かって言えないから
わざわざ他の理由を探したというのに。
当の浮竹は意地悪で言ってるわけではなく。
それが余計に、なんとも言えない恥ずかしさを煽る。

恥ずかしさからか、うう、と小さく呻く一護を
愛おしげに見つめて、浮竹は一護の頭に伸ばした腕を
一護の背中に回した。


「一護がこの方がいいって言うなら切らない」


そう言ってギュッと一護を抱き寄せる。
触れる素肌が温かい。
せっけんの匂いがした。
一護は浮竹の胸に顔を埋めて、小さく呟いた。


「長いほうが、いい」
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