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長い白髪を一房取って、浮竹さんを見上げた。


「ん?」


どうした?、そうすこし掠れた声でオレに問いかけた。
この人ほど優しい笑顔が似合う男がいるだろうか、
そう、いつも思う。
その笑顔を独占できる時間は、嬉しくてたまらない。
本当はもっと、甘えたい、とは思う。
けれどそんなことオレに出来るわけがなく。
こういうとき、変なプライドや恥ずかしさが疎ましくて仕方ない。
精一杯、できることはだた、
自分から触れるだけのキスをすること。

すこし首をぐぃっと伸ばすと、
浮竹さんの唇にほんの少しだけオレの唇が重なった。


「甘えたさんだな」


オレの好きな笑顔で視界が埋まる。
自分が一体どんな顔をしてるかは想像したくないけれど、
ただこの一瞬が永遠になればいい。
なんて、女々しいことを考える。
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