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必死にその言葉だけ吐き捨てると、
コツンと浮竹の胸に額を寄せた。

言いたいことは山ほどあるのに、喉を通ればに嗚咽に変わる。

そんな一護の態度に、浮竹は少し驚いたような顔をして、
そしてフッと笑みを零すと包み込むように一護を抱き締めた。




「すまん、お前がそこまで俺を想っていてくれてたなんて、気がつかなかった」

「ふざけんなばか…、本気じゃなかったら男となんか付き合えっかよ」




くぐもった、か細く震えた声が、
空気を伝わり、皮膚を伝わり、浮竹の耳へと届く。
抱き締める力を強めるとよりいっそう、
呼吸をする音や、脈を打つ振動が近づく。

ただ純粋に、どうせなら、このまま一つになってしまえればいいのにと思った。



じんわりと温かさが伝わってくるこの皮膚や、
一見、硬そうにみえるが軟らかいオレンジ色の髪、
体中を駆け巡る血液さえも、


自分のものになってしまえばいいのに、と、そう思った。
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