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「ああ、参ったな…」
「?」
「キノコを逃しちまった」
「キノコ?」
「ああ、アレは時折手足を生やして消えてしまうんだよ、
いつも俺の味噌汁の中から消える」
「トマトの間違いじゃねぇか、あれはいつの間にか羽を生やして飛んでいく」
「いいや、たしかにキノコだ。なにせ俺のボタンが一つない。もぎ取られた」
「それを言うならあんたの体温もすこしばかり低い」
「それはお前に熱を半分分けたからだよ。指先だけはじわじわ熱い」
「じゃあ、どうキノコを捕まえる?」
「そうだなとりあえず――」
「ボタンを直す?」
「いいや、とりあえずお前を抱きしめられたら体温くらい元に戻るだろう」
「そしたらオレの体温が下がっちまう。まだ今日は何も食べていないのに」
「けれどそのまま離れなければ下がらない。玉子焼きなら作れるさ」
「じゃあキノコはどうする。捕まえないのか。あれは意外と素早いぜ」
「キノコは無くても生きていける、しかしお前が無くては生きられない」
「そんなにオレは重要なのか、トマトよりも」
「そうトマトよりも。
――お前がいないと冷たくなってしまうよ、シチューもカレーもラーメンも」
「その体も?」
「そう、この体も」
「なら仕方ねぇな」
「そうだ、仕方ない」
「?」
「キノコを逃しちまった」
「キノコ?」
「ああ、アレは時折手足を生やして消えてしまうんだよ、
いつも俺の味噌汁の中から消える」
「トマトの間違いじゃねぇか、あれはいつの間にか羽を生やして飛んでいく」
「いいや、たしかにキノコだ。なにせ俺のボタンが一つない。もぎ取られた」
「それを言うならあんたの体温もすこしばかり低い」
「それはお前に熱を半分分けたからだよ。指先だけはじわじわ熱い」
「じゃあ、どうキノコを捕まえる?」
「そうだなとりあえず――」
「ボタンを直す?」
「いいや、とりあえずお前を抱きしめられたら体温くらい元に戻るだろう」
「そしたらオレの体温が下がっちまう。まだ今日は何も食べていないのに」
「けれどそのまま離れなければ下がらない。玉子焼きなら作れるさ」
「じゃあキノコはどうする。捕まえないのか。あれは意外と素早いぜ」
「キノコは無くても生きていける、しかしお前が無くては生きられない」
「そんなにオレは重要なのか、トマトよりも」
「そうトマトよりも。
――お前がいないと冷たくなってしまうよ、シチューもカレーもラーメンも」
「その体も?」
「そう、この体も」
「なら仕方ねぇな」
「そうだ、仕方ない」
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